老人病研究所 所長あいさつ
- 皆で育てる研究
- 〜オリジナルな研究を目指し〜
研究所と名がつくところは多い。分野によりそれぞれの目標は異なっているが、共通して目指しているところは「現実よりさらに一歩先の実体を探す」というものではないだろうか。検索実現のためのシステムが研究所であろう。それは山に登ることに似ている。登り方はいろいろなルートがる。そこを探すのもまた研究者としてのセンスといえる。
表ルートあり裏ルートあり、一人で登るものもいれば二人で登るもの、またチームを組んで登るものもいる。そして山頂を極めたとき、霧が一瞬はれてこれまで姿を現さなかった向こうの山の峯がチラリとその全貌を見せたとき、チャレジャーとしての至福の一瞬を感じ入ることができる。
さて(一財)博慈会 老人病研究所は次の時代の高齢社会の医学、医療を山頂として仰ぎ、この壮大で、かつ難攻な頂に対し「未病と抗老化」というルートで極めようとしている。社会医学性のある未病と科学性としての抗老化である。
健康と病気の間としての未病の存在は今後大きなキーワードとして思わぬ展開を見せ、育っていくものと思われる。また、抗老化という人間の永遠のテーマに対しては21世紀の科学を活用し、実感するQOLの高まりをエビデンスとして証左していく方針である。それは高齢社会に対するイメージの変革になり新たな産業構造の創設となりうる。しかし、道に迷うことなく山頂へ達する行程は並大抵とは思えない。広範囲からの適切な情報とアドバイスなどの支援を必要とする。それには研究所自体をオープンシステムとし、研究の志を抱くものを客員研究員として受け入れ、多彩な方面より広く「未病と抗老化」を支え、この方面でのオリジナルな先駆的研究所になることを期待したい。
一般財団法人博慈会老人病研究所
所長 福生 吉裕
福生吉裕(ふくおよしひろ)医学博士 |
---|
昭和22年10月20日生まれ 一財)博慈会老人病研究所 所長 日本医科大学連携教授 日本未病システム学会前理事長 第20回日本未病システム学会学術総会会長 |
(略歴) 昭和47年 日本医科大学医学部卒業 昭和53年 微生物学免疫学にて医学博士号修得 昭和59年10月 日本医科大学 内科 講師 平成2年4月 同 内科助教授 平成7年4月 中国 長春中医学院客員教授 平成13年10月(財)博慈会老人病研究所所長 兼 日本医科大学連携教授 現在にいたる |
(資格) 日本未病システム学会 認定未病医 日本内科学会 認定医 動脈硬化学会 評議員 日本老年医学学会 指導医 評議員 |
(主要業績) 第1回 未病研究会 会長 第2回 未病研究会 会長を歴任する その後常任理事として日本未病システム学会の実務に携わる 2003年アジアオセアニア国際老年学会においてMibyouシンポジウムを開催した |
(専門領域) ・ 動脈硬化、高脂血症、膠原病、老人病の臨床 ・ 現在は主に未病と抗老化を研究している。 |
【主要著書】 1)「病気の秘密は血液にあった」(法研) 2)「改訂新版 からだがわかる本」(法研) 3)「免疫からみた動脈硬化」(ライフサイエンス) 4)「未病を治す。大豆レシチン物語」(日本医療企画) 5)「未病息災」(源草社) 6)「病気になるまえに治す。メタボリックシンドロームは未病で治す」(法研) 7)「おばあちゃんの知恵袋:顔で分かる家族の病気」(宝島社) 共著:治未病、油脂の栄養と疾病、脳血管障害の臨床、老人の病気、など多くあり |