ボケ

「ボケ」

「あれが--それがー」と最近代名詞で呼ぶ事が多くなったと感じる人、注目を。

｜若い人に記憶障害が多くなってきている｜

ものわすれ外来という名前の外来が有ります。いわゆるボケを早期に発見して、進行を防ごうというものです。現在６５歳以上の高齢者の７％、１６０万人が痴呆と診断された人のカズです。これが２０２０年にはその倍の３００万人に達するとされています。この物忘れ外来に２０歳台から４０歳台の若いヒトの訪れが多いのです。なぜでしょうか。実は若いヒトの物忘れの原因の一つに文明の発展による身体機能の低下が忍びよってきています。そういえば電卓による計算力の低下、ワープロによる漢字力の低下、車による足腰の低下，そしてコンピューター化による記憶力の放棄があります。考えらせられます。


｜ボケと記憶力の低下｜

　年齢による記憶力の低下はご自分の筋力の低下,頭髪が薄くなってくるのと同用,残念ながら低下は来るものなのです。それが異常に早く訪れるとなると問題で,有名なアルツハイマー病と呼ばれるものです。この鑑別が重要です。初期はどちらも同じ「忘れる」そして中期に成ると「できない,わからない」が多くなり、最後は「まったく通じない、完全介護」となるのが経過です。原因が完全にはわかっていないところが有りますが、アルツハイマー病の病態には?アミロイド蛋白の蓄積，タウ蛋白の出現があります。またアポ蛋白Ｅ４という遺伝的な蛋白を持っていると成りやすいということもわかってきました。

｜記憶力の良かったレーガン元大統領｜

　私は「アルツハイマー病にかかっている」といって世界を驚かせたのはレーガン元大統領でした。大統領がアルツハイマー病であった事にアメリカ国民は驚き、その事を発表した大統領の勇気に驚き、医師から告知された病名を覚えていた記憶力のいいアルツハイマー病患者といえます。忘れる事で病名がつくアルツハイマー病患者が忘れずにいたのはさぞかし告知した医師は驚いた事と思います。

｜栄養で予防｜

反対に慢性関節リウマチの患者さんには痴呆が少ないという事が報告されました。この治療に使われる抗炎症薬がアルツハイマー病の予防に成るのではないかと注目されはじめました。このことはフリーラジカルを抑える抗酸化作用のある食物も予防に可能性があることが伺えるのです。ビタミンE、Cの含有の多いものや魚に含まれるＥＰＡ，ＤＨＡなど、さらに神経伝達物質のアセチルコリンの材料に成るレシチンなどの含まれる大豆などです。